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新聞奨学生問題

  ● 国会資料
   ・ 1980.11.19 【参議院】商工委員会 新聞奨学生の雇用実態に関する件 より
   ・ 1981. 4. 6 【衆議院】 社会労働委員会 より
   ・ 1997.12.10 【参議院】新聞販売労働者・新聞奨学生の労働に関する質問
   ・ 1998. 1.16 【参議院】参議院議員吉川春子君提出新聞販売労働者・新聞奨学生の労働に関する質問に対する答弁書

  ● 記事
   ・ 2006.10.27 【オーマイニュース】ある元・新聞奨学生の物語(前編)
   ・ 2006.10.25 【オーマイニュース】ある元・新聞奨学生の物語(後編)
   ・ 2007. 8.31 【マイニュースジャパン】 日経新聞、新聞奨学生を奴隷扱い 辞められぬ弱みに付け込む
   ・ 2008. 5.10 【asahi.com】 青森ひと山脈 「北斗新報」発行責任者 伊藤裕希さん (1)全共闘世代 反骨培う
   ・ 2008. 5.11 【マイニュースジャパン】 新聞奨学生が内部告発 給料未払い、食費ピンハネの実態
   ・ 2008.8.10 【マイニュースジャパン】 これは平成の蟹工船だ!手取り時給3百円の毎日新聞奨学生
   ・ 2009.3.10 【マイニュースジャパン】 時給5百円未満!朝日新聞販売店の奨学生、韓国ブローカー2万円“ピンハネ”で

1998.1.16 参議院議員吉川春子君提出新聞販売労働者・新聞奨学生の労働に関する質問に対する答弁書

新聞販売労働者・新聞奨学生の労働に関する質問
http://blogs.yahoo.co.jp/syogakusei_sos/8425135.html
参考資料 http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/syuisyo/141/touh/t141012.htm
参議院議員吉川春子君提出に対する答弁書


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答弁書

第百四十一回国会答弁書第一二号
内閣参質一四一第一二号

  平成十年一月十六日


内閣総理大臣 橋 本 龍 太 郎   

       参議院議長 斎 藤 十 朗 殿

参議院議員吉川春子君提出新聞販売労働者・新聞奨学生の労働に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



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   参議院議員吉川春子君提出新聞販売労働者・新聞奨学生の労働に関する質問に対する答弁書

一の1について

 労働基準監督機関においては、新聞販売店に対して、従来から計画的に監督指導を実施しているところであり、平成五年及び平成六年には、百九十六事業場の監督指導を実施したところである。その結果、労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)等に違反している事業場については、その改善を指導したところである。

一の2について

 労働基準監督機関においては、新聞販売店で働く労働者の労働条件に関し、計画的に行う監督、労働者からの申告に基づく監督等により労働基準法に違反する事案の把握に適宜努めており、御指摘の新聞販売店における一箇月単位の変形労働時間制に関する全国的な調査を行うことは考えていない。

一の3について

 労働者の交通事故による労働災害を防止するため、労働省においては平成六年二月に事業者が取り組むべき対策について「交通労働災害防止のためのガイドライン」を策定し、交通事故による労働災害の防止のための担当者の選任、適正な労働時間等の管理、運転者に対する教育の実施等について指導してきているところである。今後とも、新聞販売店を含め、交通事故による労働災害の防止のため、ガイドラインに基づく対策の徹底に努めてまいりたい。
 なお、新聞販売店における交通事故による労働災害の死亡者数は、平成五年は六十五人であったが、その後減少し、平成八年には三十四人となった。

一の4について

 新聞販売店で働く労働者の労働条件に関しては、労働基準監督機関が労働基準法等に違反する事案を把握した場合には使用者である新聞販売店の事業主等に対し厳正に指導している。また、新聞販売店で働く労働者の労働条件の改善を図るためには業界の自主的な改善努力を促すことが重要であることから、労働省においては、社団法人日本新聞販売協会の協力を得て、平成五年度から平成七年度にかけて「日販協労働条件適正化推進事業」を実施し、労働条件改善マニュアルの作成、労働条件改善のための講習等を行ったところである。

二の1について

 労働基準法第十七条は、使用者が前借金その他労働することを条件とする前貸の債権と賃金とを相殺することを禁止している。
 新聞奨学生は使用者である新聞販売店の事業主と労働契約を締結するものであって、新聞社等は当該学生の使用者には当たらないこと、また、奨学資金に係る債権と賃金とを相殺するものではないことから、新聞社等が、その系列の新聞販売店で一定期間働くことを条件に新聞奨学生に授業料等に相当する額を奨学資金として貸し付け、当該奨学生があらかじめ定められた期間働くことなしに当該新聞販売店を退職した場合においてその全部又は一部の返済を請求したとしても、御指摘の前借金相殺の禁止を規定する労働基準法第十七条には違反しないものと考える。

二の2について

 労働基準法第十五条は、労働契約の締結に際し、使用者が労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない旨規定している。労働省においては、労働基準監督機関を通じて、御指摘の問題が発生しないよう新聞販売店に対してこの規定が遵守されるよう必要な指導をしてまいりたい。

二の3について

 新聞販売店で働く新聞奨学生を始めとする労働者の労働条件に関しては、労働基準監督機関が労働基準法等に違反する事案を把握した場合には使用者である新聞販売店の事業主等に対し厳正に指導している。また、新聞販売店で働く当該労働者の労働条件の改善を図るためには業界の自主的な改善努力を促すことが重要であることから、労働省においては、社団法人日本新聞販売協会の協力を得て、平成五年度から平成七年度にかけて「日販協労働条件適正化推進事業」を実施し、労働条件改善マニュアルの作成、労働条件改善のための講習等を行ったところである。

二の4について

 労働省においては、御指摘のような問題が生じないよう、労働基準監督機関を通じて、労働基準法第十五条の規定の趣旨の徹底を図るよう使用者である新聞販売店の事業主等に対し指導するとともに、必要に応じて新聞社等に対しても指導してまいりたい。

1981.4.6 衆議院 社会労働委員会 より抜粋

発言者情報

無所属公明党国民会派 草川 昭三
労働省労働基準局長 石井 甲二
労働省婦人少年局長 高橋 久子
労働大臣 初村滝一郎

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○草川委員 最後になりますが、そういう中で実は新聞配達の従業員というものは朝四時あるいはひどい場合になりますと三時半に起きて、雨の日も雪の日も個別に新聞を配達するわけであります。そして、夜は夜で夕刊を配達し、たくさんの交通事故に遭いながら苦しんでおみえになるわけでございますし、その中には女子の従業員の方も非常に多くのパーセントを占めるようになりました。
 そこで、ここからは労働省に聞いていただきたいし、答弁を求めたいわけでありますけれども、労働組合ができている大手のところだとか、そういう組合の方々ばかりのおつき合いではなくて、このような新聞配達をやっておみえになるような零細な事業場で働く、たとえば学生の方々あるいは専門の従業員の方々にももっと耳に手を当てていただきたい。そして、賃金というのはせいぜい年間二百二、三十万だというのですよ。これは大の男の人でも年間二百二、三十万だというわけで、これは相当な意味で力を入れて関心を持たないと零細な人たちの労働条件というのは上がりません。専従従業員というのはだんだん少なくなりましたので、販売店は女子の従業員を採用しようとするわけであります。
 もう一つは、学生アルバイトを採用するわけです。特にこの学生アルバイトの場合は、アルバイトというよりも、どういうやり方をするかといいますと、奨学生、いわゆる大学へ入る場合の入学金あるいは学費というものを奨学金でつって販売従事をさせようとするわけです。私、ここに日刊アルバイトニュースを持ってきましたけれども、このアルバイトニュースを見ようと新聞を見ようと全部書いてあるのですけれども、何々新聞奨学生募集と書いてあるわけです。それで、月給は七万四千円ですよ、将来は大学を卒業できますよ、外国旅行もさせますよ、まあいいことばかり書いてあるわけですよね。
 しかし、いま申し上げたように、新聞社は物すごい拡販運動をやるわけですから、生きるか死ぬかの非常に厳しい状況の中ですから、朝と晩だけの新聞配達じゃ困りますよ、集金もやってもらいたい、あるいは集金だけではなくて拡販もやってもらいたい、こういうわけで学生が昼日中から拡販運動をしなければいかぬわけですよね。これは大変つらい話です。われわれのところへ新聞社が来たって買いませんよ。しかし、あえてその仕事をしなければいかぬということになりますと、結局学業を放棄せざるを得ない。そこで店主に、もう私はようついていけません、もうこれで勘弁してもらいたいと言いますと、では直ちにここで入学金を返せ、五十万円返しなさい、あるいは毎月の学費を返しなさいということになりますと、七十万、八十万というお金を返さなければいかぬわけです。そうすると、それを返す能力がない。返す能力がないと結局学業をやめざるを得ぬわけですよ。学業をやめて、結局新聞販売店の専従になってしまうという例が実はかなりたくさんあるわけですよ。
 きょうはこの点について少し申し上げるつもりでございますが、余り時間がないので順番からいきますと、全国で新聞販売従業員というのは何名おみえになりますか、まずその数字からお伺いしましょう。

○石井(甲)政府委員 新聞配達員の就労実態について申し上げます。
 日本新聞協会の調査によりますと、昭和五十六年二月現在新聞販売店従業員の総数は四十一万三千人となっております。その内訳は、いわゆる新聞少年が十七万七千人、満十八歳以上の者が二十三万六千人という数字になっております。

○草川委員 いずれにしても四十一万の人がおみえになるわけですね。そういう人が朝の三時半、四時から働いておみえになり、非常に苦労しておみえになるわけですから、もう少し労働省はこの点についても深い関心を持っていただきたいというように思います。
 そこで、女子の従業員がこの中に二五・八%いるという数字があります。女子の従業員は早朝勤務というのが今日の基準法からいってできませんから、日本新聞協会の販売委員会の方からは女子年少者労働基準規則六条の「女子の健康及び福祉に有害でない業務」に指定してもらいたい、早く言うならば女子も四時から仕事をやってもらいたい、本人たちも希望しておるからという申し入れをしておるのですが、私はこれは認めるべきではないと思うのです。それは少し問題があるじゃないか。安易にお母さん方にしわを寄せるということはかえって本質的な解決にならないという意見を持っておるわけでございますが、二回にわたって協会はこの申し入れを労働省に出しております。
 労働省は認めるお気持ちでございますか、どういうような態度ですか、お伺いをします。

○高橋(久)政府委員 女子につきましては深夜業が原則として禁止されているわけでございます。新聞協会の方からこの女子につきまして早朝の四時から労働ができるように特例を設けてほしいという要望をいただいておりますが、この女子保護規定を含めまして、今後の婦人労働法制のあり方につきましては現在婦人少年問題審議会において審議をしております。この審議の観点といたしましては、雇用における男女平等を確保するための諸方策について審議が行われているわけでございますが、この中で女子の保護のあり方も含めまして議論がされてまいりますので、労働省といたしましてはその結果を踏まえて対応してまいりたい、このように考えております。

○草川委員 そこで、私は女子の従業員の対応については、これは普通のキャリアウーマンの対応とちょっと違いますから、別に一項起こして検討してもらいたい、こう思うわけです。私、この基準法改正についてはキャリアウーマンの立場からはまた別の意見を持っておりますが、ここだけは違うということを申し上げておきたいわけです。
 奨学会のことですけれども、俗に言うところの育英資金というものは公益法人によってあるわけですよね。大学に入りたい、あるいは家庭の条件が悪ければしかじかかくかくの条件で卒業後何年に返済をするという育英資金というのはあります。ところがいま新聞社で、新聞販売店でやっておるところの奨学事業というものは、実は労働条件から言うならば前借に近いわけですよ。前払いに近いわけですよ。よし、金が要るなら百万円出してやるよ、それで入学金払いなさい、そのかわり三年間がんばったら免除してあげますよ。そのかわり一年でけつを割ったら返しなさいよという個別契約になるわけですよ。
 だから、基準法から言うところの、俗に言う十六条の法律についていろいろ労働省からお伺いをしておるのですが、詰めていくとどうも十六条じゃひっかからないようなんですね。ですから、何らかの形で、ひっかかると言うと言葉が悪いのですけれども、労働省として関与できる、ちょっとかわいそうじゃないか、おかしいじゃないか、めんどう見ようじゃないかというものはないだろうかという意味で、各新聞社がやっている育英奨学会を一回洗っていただいて、何らか私が言うような行政上のフォローができないかどうか、これをちょっとお伺いしたいと思います。

○石井(甲)政府委員 新聞販売学生の奨学金ということで募集をしているわけでございます。新聞販売学生が奨学金を受けて、働きながら勉強するというそのこと自体は決しておかしいわけではございません。問題は、御指摘のように途中で何らかの理由によりましてこれをやめる場合に、いわばそれを返済しなければならぬという場合に、大変御苦労な問題が起きてきます。この奨学金自体につきましては、いろいろ条件をとりまして、お互いにそれを容認し合って入るだろうと思うのでございます。そこで問題は、途中で退職する場合に一括返済させるというのは、普通一般の学生にとってはいかにも大変なことでございます。
 そこで、どういう形をとり得るかということでございますが、現実を調べてみますと、民法三十四条の公益法人として労働省が、労働大臣が認可をしているものに、新聞販売従業員共済会というのがございます。これは大体朝日系が加入しているようでございます。この中には、途中でやめる場合には分割でこれを返済してもいいような規定が入っております。したがいまして、こういう認可法人であれば、直接監督機関としての立場からいろいろ関与はできるわけでございますが、そのほか各新聞社ごとに同じような、言ってみれば独自の制度がそれぞれ置かれているのでございますが、これに対しては、いま先生御指摘のように、基準法の問題ということもはっきり明定できないようなことでございます。
 ただ、労働省といたしましては、いわゆる勤労学生の福祉等の観点から返済条件の弾力化等について、いま設立されております各新聞社の任意の関係の奨学会に理解を促して、これをそのように持っていくように働きかけをいたしたいというように考えております。

○草川委員 時間が来ましたのでこれで終わりますが、非常に積極的な前向きの答弁をいただいて私もありがたく思うわけでございますが、一つは労働大臣の認可法人は直接そう言っていただく。さらに入っていない、認可されていない他の新聞社に対してもこの機会に、一括返済を弾力的にしなさい、これは非常に重要なことだというのを働く勤労青少年を守る立場からぜひやっていただきたい、こう思うのです。
 この点について最後に大臣の方から見解を賜って私の質問を終わりたい、こう思います。

○初村国務大臣 できるだけ趣旨に沿うように努力いたします。

○草川委員 以上でございます。

1980.11.19 参議院商工委員会 新聞奨学生の雇用実態に関する件 より抜粋

発言者情報

日本共産党          市川 正一
文部省大学局高等教育計画課長 十文字孝夫
労働省労働基準局監督課長   岡部 晃三
通商産業大臣         田中 六助


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○市川正一君 本日は、時間も限られておりますので、私は政策論ではなしに実態論に基づいて幾つかお伺いしたいのでありますが、大臣のお時間もございますので、大臣がいらっしゃる間にぜひじかにお聞き取りを願いたい問題から入っていきたいと思います。
 去年の十一月十一日の本委員会で私は新聞の過当な拡販競争の実態について取り上げました。そして、販売店及び販売店労働者が過酷な経営条件また労働条件に置かれているということを、大臣の前にディジタル時計などいわゆる拡材の現物をお見せもいたしまして指摘いたしました。きょうは、そうしたもとで、もう一つの問題、新聞奨学生の問題について伺いたいのであります。この奨学生というのは、奨学金のあの奨学でありますが、これは新聞配達の主力部隊となっている、全国で約二十万人いると言われておりますが、向学心に燃えて、そういう青年、学生ががんばっておるわけでありますが、もとより働きながら学ぶというこの制度を私どももいささかも否定するものではありませんし、大いにこれを発展さすべきだ。しかし問題は、学ぶことが時間的にもまた経済的にも肉体的にも保障されないようなそういう人権無視が横行しているわけであります。
 文部省にお伺いしたいのでありますが、文部省として、新聞奨学生のこの奨学制度ということについて実態を把握していらっしゃるかどうか、まず伺いたいと思います。

○説明員(十文字孝夫君) 私どももそういう話があるということはかねてから聞き及んでおりまして、新聞奨学生いわゆる新聞配達員奨学事業といったものの実態につきましては、事業主体としてあるいは新聞社あるいは新聞販売店の連合体といったようなものがいろいろな形で奨学と称する制度を行っているということにつきましては、それぞれの実施主体に電話で照会をいたしたり、あるいはパンフレットなどにおきましてその実情を、まあ十分とは言えませんけれども、ある程度把握しているつもりでございます。

○市川正一君 文部省は、九月七日のことでありますけれども、文化庁の牛尾文化普及課長補佐らが直接奨学生から事情を聞かれて、文部省とも相談して実態調査を約束されているのです。これは確かめていただきたいのですが。
 私はここに何社かの奨学制度についてのいわばパンフレット、案内を持ってまいりました。朝日もあります。読売もあります。サンケイもあります。毎日もあります。大体中身は一緒です。これを見ますと、事業内容について、これは一例でありますが、「朝・夕刊の配達、チラシ広告の折り込み作業、そのほか簡単な事務など。集金・セールスはありません」こううたっているのですね。そして、これはまたあるところのものでありますが、「仕事の内容」「配達だけ」ゴシックでしかも囲みを入れてこう言って青年、学生をいわば勧誘しているわけです。また、労働時間についても一日五時間ぐらいだというふうに明記しております。そのほか福利厚生面、週休制度、給料、結構なことがずっと並んでいるのですね。ごらんになっていると思います。ところが実際はどうか。全くこれとはかけ離れております。まず仕事の中身と拘束時間でありますが、配達だけどころか、集金はもとよりセールスもやっておるわけであります。そして、新聞の拡張の責任を持たされている。いわば聞いて極楽、見て地獄が実態なんです。
 研究用のテキストというのもあります。ここに各社のを持ってまいりました。このテキストを見ますと、たとえば、セールスは重要、部数がふえれば君の待遇が安定する、攻撃こそ最大の防御、新聞読者獲得のコツ、まさにこの拡張の要員を養成するためのテキストになっています。また別のある社のを見ますと、セールスはあらゆる業種にわたって最も必要な部門です。自分の受け持ち区域は自分の責任区域であるとの自覚のもとに、全戸読者化を目標に励んでください――これは一般の従業員なら別ですが、学生を、先ほどお示ししましたようなパンフレットでいわば勧誘して、そして義務づけていくんですね。私は、これは非常に問題だと思うのでありますが、さらに業務時間も結局五時間どころか、私、直接に何人かの学生から聞きましたけれども、十時間を超えるということもしょっちゅうあるというのです。これはとても勉学と両立することはできぬというのが率直な奨学生の声です。
 そこで、文部省に重ねてお伺いしますが、教育的見地から見てもこういう新聞奨学制度の案内とそして実態、いわば隔たり、これは私、重大だと思うのですが、文部省の見解を重ねて承りたい。

○説明員(十文字孝夫君) ただいま先生御指摘の、いわゆる新聞奨学生の労働条件の実態につきましては、私ども、先生がお示しになりましたパンフレットも拝見いたしましたが、そこでは一応配達の時間あるいはチラシの折り込みといったようなことで、標準的には五時間ないし六時間というふうに示されておりますが、そのほかに集金とかあるいは販売拡張の仕事とか、そういうことが臨時的に重ねられるというようなことがあるようでございますが、そういうパンフレットで知る限りのことでございまして、その本当の実態につきましては、それぞれ個々の新聞販売店におきます労働上の問題でございますので、私どもとして詳細には承知いたしておりません。しかし、一般論といたしまして、私どもとしましてはかねてから働きながら学ぶ勤労学生に対しましてはそれぞれの職場におきまして十分勉学の時間を確保していただくように、たとえば通信教育の学生の場合には夏休み期間中にスターリングへ出かけるというようなことがございますが、そういった面について十分配慮をするように局長から各大学を通じまして事業主に対してお願いをするというようなこともしているわけでございます。ぜひ私どもとしましては勤労学生についてその向上心に基づいて十分勉学が継続できますように御配慮いただきたいと考えている次第でございます

○市川正一君 先ほども言いましたように、九月の七日の日にこの問題について直接にじかに言っているのですよ。牛尾文化普及課長補佐がこの問題について実態調査をやるということを約束されているんですね。ですから、そういう点からいま初めて聞いたようなお話ではこれは通らぬのですよ。だから、実態調査をちゃんとなさるということ、この点確約いただけますか。

○説明員(十文字孝夫君) 繰り返しになりまして恐縮でございますが、先ほども申し上げましたように、要するに個々の販売所におきます労働条件の実態の問題でございますので、これは文部省というよりもむしろ労働省が監督される問題ではないか、労働省のやはり権限の範囲内においていろいろ調査なさるということが一番いいのではないか、適切ではないかというふうに考えております。

○市川正一君 労働省には労働省にちゃんと聞きますよ。私が言っているのは、教育上の見地から見て、大部分が学生ですよ、こういうことが好ましいのかどうかということを踏まえてあなた方はそんなもの知らぬとほっとくのですか、それを聞いているのですよ。そんなものは労働省に任せておいたらいい、わしゃ知らぬと言うのですか。

○説明員(十文字孝夫君) 私ども決して、そういう実態がありとすれば、望ましいことであると考えておりません。したがいまして、先ほど申し上げましたように、筋としましてはやはり労働省の問題でございますので、私どもとしても十分労働省の方にそういう調査をし指導していただくということで、お願いを申していきたいと思っております。

○市川正一君 そうすると、望ましいことでないということが一点、そしてこの問題については重大な関心を持って、労働省ともよく協議して実態調査、しかるべき措置に取り組むと、こういう理解でよろしゅうございますね。

○説明員(十文字孝夫君) はい、そのとおりでございます。

○市川正一君 はい、わかりました。
 それじゃ労働省に伺いたいのでありますが、私どもが調査しましたところでは、これだけではなしに、週休あるいは有給休暇、これがないというのが半分あります。また、健康診断は一〇〇%がありません。また、就業規則も九〇%がありません。また、健康保険、厚生年金も六〇%以上ありません。そういう状態であります。労働省はこういう実情について当事者から要請を受けておられるはずでありますが、実態調査もなさって、こういう奨学生制度をつくっている発行本社に対して改善の指導をなさるべきだと思いますが、いかがでしょうか。

○説明員(岡部晃三君) 新聞販売労働者の問題につきましては、従来からいろいろ労働基準法上の問題があるということで、一つの重点として労働基準法の施行に当たっておるところでございます。まあこの問題につきましては、各都道府県労働基準局におきましてそれぞれいろいろな手法で是正を図っているところでございますが、最近におきましてもこの三年間この問題を重点としてあえて取り上げておるところが全国で二十局あるわけございます。そのうち本省に取りまとめが報告されましたものにつきましては、昨年の先生の御質問にありましたような状況をお届けしたわけでございますが、その内容を見ましても、やはり就業規則の不備の問題、あるいは年少者の問題、休日労働の問題等々、いろいろ挙がっているところでございます。今回私どもといたしましてさらに新聞労働者の問題、特に奨学労働者の問題につきまして、日本新聞協会に対しまして十分な注意を促したという、ごく最近の経緯もあるところでございます。

○市川正一君 重ねて聞きますが、給料支払いについて切り取りというのがあるのです。これは労働省御存じだと思いますが、どういうことかというと、自分の担当している部分の集金ができない場合には残証と呼ばれている未収金分を給料からいわば天引きされる、そのかわりに請求書を渡されるという制度であります。これは明らかに労働基準法の二十四条違反でありますが、こういうことが公然と行われている。ある新聞社の場合、ひどい場合には、これは私ここに現物も持ってまいりましたが「差引証券分」と書かれて未収金を給料から差っ引かれているというのがあります。そして、手取り五円しかなかったという実例も実際にあるのです。私はこういう点で労働省として発行本社に対して切り取りをやらせないという厳重な指導がいまや求められていると思いますが、この点いかがでしょうか。

○説明員(岡部晃三君) この問題は特に東京地区におきまして、東京の各新聞販売店に働く労働者の方から東京労働基準局に対して、過般申し出がなされたところでございます。労働基準法二十四条におきましては賃金の全額払いの原則を定めているわけでございまして、法定の除外事由がなくて賃金の一部を控除するというふうなことは、もとより同条に違反するところでございます。したがいまして、いま御指摘の切り取りというふうなことがもしございますれば、それは違反の疑いがきわめて強いということになるわけでございます。
 そこで、そういう申し入れがございましたので、東京労働基準局におきましては、各新聞社を通じましてその系列ごとに、東京の全新聞販売店千三百十店に対しまして、過般、十月十四日から十一月六日にかけましてこのような違反を生ぜしめることがないように強力に指導したところでございます。

○市川正一君 大臣にお伺いいたしたいのでございますが、私もきょうは時間がございませんのでもう触れませんが、たとえば、新聞が不配達いたしますと一件について二千円の罰金制度をつくって給料から天引きしていくというふうな例もございます。こういう、余りにもひどいので配達員をやめようと思っても、借りている奨学金を一度に返さぬことにはやめさしてくれぬのです。足抜くことができぬのです。そこで苦しくてもそのまま続けるか、それとも学校の方をやめるか、結局そういうことに追い込まれていくんです。私、統計をとってみますと、そういう中で結局体がもたぬということ、勉強もできぬということで、年間約七割の学生がやめていくのです。そうすると、その後をまたこういう甘いうたい文句をえさにして次々と奨学生を募集していきます。こういうことのいわば繰り返しでやっているわけですね。ある奨学生は次のように訴えています。
 四年間やり抜いたという満足感や喜びなど微塵もありません。四年間、まるでタコ部屋か女郎部屋、金がないから縛られていただけです。きれいな謳い文句にのせられて、自分も大学へ行けると夢をふくらませて新聞奨学生になり、だが、そのあまりの苛酷さに打ちひしがれて、悄然と田舎へ帰っていった仲間が、どれほど僕の周りにいたかこう言っているのです。
 大臣、以上じかに大臣のお耳から聞いていただきましたが、これは新聞にもかかわることでありますので、なかなか実態としてはマスコミにも載りにくいんです。先ほど大臣御自身も新聞界の出身だと、こうおっしゃいましたけれども、社会の木鐸と言われる新聞、その発行本社が設立したこういう奨学生の現状というのは、私は放置できないと思うのです。ましてや学びたいという、そういう夢をふくらました、向学心に燃えた青少年の純真な気持ちをいわば踏みにじっているという点で、私は奨学制度のいわば一番中心である発行本社自身がこういう改善に積極的に当たるべきじゃないか、そして通産省としてもそういう方向でぜひ強力な指導をしていただく必要があるんじゃないか、こう思うのでありますが、強くそういう要望を込めて大臣の御所見を最後に承りたいと思います。

○政府委員(植田守昭君) 過去からの事実関係の経緯もございますので、私からちょっとお答えさしていただきますが、私ども、いまお聞きしておりますと、いろいろと文部省なり労働省なり直接の所管の問題があろうかと思いますが、私どもにつきましてもかねてから御要望もございますので、この問題……

○市川正一君 審議官、済みませんが、大臣のお時間がありますので、ぼくもそれを心得て進めているつもりですから。

○政府委員(植田守昭君) はい。新聞本社との話し合いの問題になるわけでございますが、率直に申しまして、残念ながら現時点におきまして私どもと新聞本社との間で全般的に話し合いを行い得るという状況は必ずしも十分醸成されておりません。しかしながら、販売店の問題につきましては、発行本社の団体でございます日本新聞協会とは本年の九月でございましたか、話し合いを行いまして、今後連絡はとり合っていくというふうなことで話した経緯がございまして、販売店の実情調査等につきましてもいろいろと困難な問題もございますが、そういったところとの連絡は絶やさないでやっていきたいというふうに考えております。

○国務大臣(田中六助君) いま植田審議官がお答えしたとおりでございますが、私は、根本的には商業新聞の過当競争にあるのじゃないかというふうに思いますし、学生が非常に苦労しておるというようなこと自体、これはやはり大きな社会問題でございますし、新聞協会にただいま審議官の方から申し上げましたように、一応相談をしておりますけれども、私は、さらにこれを、抗議というようなことではなく、まあそういう意味を含めて十分話し合っていって、こういうことがなくなるように対処しなければならない、政治家としてもやはり一つの責任のあることではあるまいかというふうに思っております。
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